原稿用紙26枚目

SNSに書くほどではないことをこっそり投稿します。お気軽にご覧下さい!

デレマスのサブスク、GAME VERSIONで困るのは誰か

※この記事はフル尺の音楽2曲分ぐらいの時間で読めます。

 

 こんばんは!2022年11月の最後に素晴らしい情報が発表されてTwitterのタイムラインを震撼させましたね。本当の意味で素晴らしい情報もありましたが、今回どうしても語りたい情報、それがこれです。

アイドルマスター シンデレラガールズ』の楽曲が、Apple Music、SpotifyYouTube Musicなどの音楽ストリーミングサービスで12月7日から順次配信決定! また『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』にゲーム実装されている新曲配信も決定!

アイドルマスター(THE IDOLM@STER)公式ページ|日本コロムビア|2022.11.30 News

 サブスクとはサブスクリプションのことで、よくあるのだと「月々●円支払っていればサービスを追加料金なしで1か月間利用出来る」というもので、動画見放題、電子書籍読み放題・・・のように、音楽にもそういった「聞き放題」のサービスがあります。有名なApple Musicでは¥1,080/月で対象の9000万曲以上が聴き放題となります。これまでアイドルマスター楽曲はサブスクに入っていない代表選手。それがついにサブスクの対象となるニュースが大きな話題となりました。

 順に説明していきます。アイマスシリーズでサブスクが始まると発表され早4か月。第1弾のシャイニーカラーズはまさかの最新楽曲を中心のラインナップ。第2弾はシャニマスとレーベルの異なるアイドルマスターシンデレラガールズ。ラインナップは・・・

第一弾として12月7日から音楽ストリーミングサービスで配信開始するのは、THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER ANIMATION PROJECT 00 ST@RTER BEST』収録楽曲のフルサイズ計14曲、 リズムゲームアイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージデレステ)』で配信中のGAME VERSION計120曲です。

 GAME VERSIONアイマス専用のサブスクを回避して大手のサブスクというところで一安心していると新たな刺客が登場した形ですね。まず「GAME VERSION」という発表に対して湧きおこる議論のあれこれを紐解いていきたいと思います。

前編:GAME VERSIONで困るのは誰か

 私が議論の前に気にすること、それは人が議論の前提として持っている「常識」の違いです。サブスクを知っている人、知らない人・・・。まずはこの議論をしている私たちアイマスPの立ち位置を分類してみたいと思います。

 

 まずはこれ。私も深掘りするとこのシステムの全貌は知りませんし、興味がないと知らないと思いますのでここは全く問題ありません。そして、この知識の有無から主に「サブスクで聴く」か「CD、ダウンロードで購入して聴く」の大きく2パターンあるかと思います。

 サブスクを知らない人は基本的にCDで聴いていますよね。そして、サブスクを知っていても利用していない人もそれなりにいてCD等を買って聴いていると思います。ここまでは恐らく全人類が理解しています。共通認識を持っています。

 

この先が一つの議論の分かれ目だと思います。

 

 サブスクをまだあまり知らない方で、サブスク利用者に厳しいことを言っている人の認識は黄色マーカーの部分だと思います。こうです。

『俺たちは公式にお金を落としている!でもサブスク利用者は外部のサービスにしか金を落としていない。サブスク利用者は好きなコンテンツに金を落とさないダメなヤツだ。』

 

 洋画のアメリカ人の喧嘩みたいにここまでバチバチ燃え上がってる人はいるか知りませんが、まあこういう認識をしてサブスクに抵抗感を示しているのだと思います。

 ここでお伝えしたいのが次の図です。私の周りはこんな感じです。

 はい!赤い線で示したように、CDを買った上でサブスクも利用する人が割といたりします。理由は色々。例えば「コレクションとして棚に並べたい」「購入特典のグッズが欲しい」「CDを買ったけど取込んだり物を探すのが面倒」「CDを買うのは国民の義務だから」・・・。このように、まずは、サブスクを知っている人でもCDを買う人がいると言うことを知って頂きたいです。

 そしてこの図、実は違うと思っていて、なんだか分かりますか?それはアイマスP」の定義です。

 

 アイマスPと言っても、私のように毎秒アイマスの話をしているアイマスPから「前は好きだったけど最近は全然」って人もいます。もうお金を落としていない層を青塗り、現在進行形で商業的に関わっている層を赤塗りで区別していきたいと思います。それがこれです。

 これが私の認識です。サブスクでしか聞かない人ってそもそも今は商業的に関わっていない、一時的に熱が冷めちゃった人なんじゃないかと思います。逆に、サブスクの有無に関わらず、赤塗りの層は元からお金を落とすし、魅力的なコンテンツを提供し続けてくれればサブスク開始後も変わらずにお金を落とし続けます。

 青塗りにいる「最近は集金対象ではなかった人」から1円を切るような利益を徐々に回収出来るところがサブスクの効果として一つ挙げられるのではないでしょうか。これはアイマスPに限った話をしていますが、例えばこんなのはどうでしょうか?

 「バンナムフェスで聞いて興味が出た!」「友達がオススメしてた!」「動画サイトで話題になってた!」なんでもいいです。「アイマスに興味アリ!」な人がサブスクなら手に取ってくれるのです。「ほんとうぉ?」と言う人もいるかもしれませんが

冷静に考えてください

 サブスクは10代~30代の若者が結構な割合で利用しています。サービスを利用するために新たにお金を払うものではなく、既に加入しているものです。サブスクで9000万曲以上聞けるのに、「何となくアイマスに興味がある」でCDを手に取るでしょうか?1曲250円程度とは言え、手に取るでしょうか?私は手に取ると思いません

 サブスクの対象曲数も物語っていますが、現代とは情報に溢れた世の中です。有限の人生に時間をかけて楽しむことの出来る作品の数は限られてしまう上、それを自ら探しに行き、自分の目で選び、手に取るまでの一連の動作が出来ない、というかする必要がない世の中が到来しています。無料で魅力的なコンテンツが提示される環境で、わざわざ冒険する人は本当に少なくなってきていると私は肌で感じます。自分のお気に入りアイドルを育て上げるのが醍醐味なこのアイドルマスターシリーズですら「総選挙の投票先のおすすめ」を他人に説明してもらおうとするぐらいですから。今の時代は「良いコンテンツがお手頃に溢れていて」「達成して欲しい目的までアスファルトで丁寧に整地してあげないといけない世の中」なのです。

 なので、GAME VERSIONは勿体なかったと思います。今は顧客じゃない人に「フルではないGAME VERSION。ちゃんと聞きたいならDL販売かCD買ってね」か、「聞くまでの道筋が用意され、既に加入しているサブスクで聴けるフルの楽曲」を手に取ってもらうか選ばせた時に後者を選ぶ人が多いんじゃないかと思います。それほどフルではない楽曲は魅力度を低下させてしまっています。「たった250円すら払えないのか」という声をちらほら見ますが、正直、今いるアイマスPの他に顧客を開拓するという意味では「それすら払わないと思いますよ」と言ってしまいそうになります。GAME VERSIONで困るのって、お金を払いたくないオタクではなくて「これから新たに、再び、手に取ってくれそうな人」ではないでしょうか。

 

長くなり過ぎたので次の記事にしようと思いますが、運営側の想いや事情も全く分からない訳ではありません。それは明日以降に続きます。以上です。